Q&A

Q&A

Q1.熱が出た時は、解熱剤を使った方がいいですか?適切な使い方は?

熱は、ほとんどが風邪を始めとする様々な感染症に伴うものです。
病原体と戦うために必要があって出ている訳ですから、安易に「熱が出たら解熱剤で下げる」というのは、短絡的な考えです。なぜなら、解熱剤を使いすぎると自己治癒力を妨げ、反って病気は長引くからです。
ただし、熱のせいで食欲が極端に落ちている場合や、ぐずって眠れない時には使ってもいいでしょう。

Q2.熱が出たら、抗生物質を服用すべきでしょうか?

熱を伴う気道感染症、いわゆる「かぜ」の原因は、ウイルスと細菌に大別されます。
子どもの発熱の80~90%はウイルス性の風邪(感冒)が原因です。
抗生物質は、溶連菌感染症などの細菌が原因の感染症には有効ですが、感冒やヘルパンギーナなどのウイルス性の風邪には効きません。
従って、抗生物質が必要かどうかを熱の有無だけで考えると、ほとんどの場合、誤った判断をすることになります。
抗生物質は、のどの所見・胸部聴診所見・鼓膜所見・リンパ節の腫れなどを丁寧に診たり、必要に応じて胸部レントゲン撮影や血液検査・ウイルスの検査(アデノ・RS・インフルエンザなど)をしたりして、総合的にその要否を判断すべきであり、熱が出たから服用するというのは、理由になりません。
尚、外耳に耳垢が詰まって鼓膜が観察できない時は、耳垢を取ってから診察するという、丁寧な作業が必要です。

Q3.ウイルス性の風邪に効く薬はありますか?

ごく軽症の場合は何もせず自然に治りますが、中等症以上の場合は、漢方薬を上手く使って治療すると早く治ります。
漢方薬は、免疫機能・自己治癒力を高めたり、直接抗ウイルス作用を発揮したりして、風邪を治します。
風邪の漢方薬は、重症度や、病気になってからどれくらい経っているかによって、使い分ける必要があります。
漢方を使い慣れた医師に、その時々の状態により適したものを選んで処方してもらいましょう。

Q4.アクアライト・ポカリスエット・OS1などのイオン飲料は、どんな時に飲ませたらいいですか?

これらは、電解質(塩分)・糖分(ブドウ糖)を含んだ飲み物です。熱があったりして食事が充分取れていない時には、電解質・糖分を補充する意味で有用でしょう。
ただし、食事が十分摂れているにもかかわらず、こういう飲み物を飲むことが習慣になってしまうと、糖分が入っている分、カロリー過剰になったり、甘みのある飲み物しか飲まない子になってしまったりする危険をはらんでいます。
食事が十分摂れている時の飲み物は、お茶で結構です。こういうイオン飲料は、あくまでも病気で飲食できない時や、激しい運動の後など、糖分・電解質を補う必要がある場合に留めましょう。

Q5.予防接種後は、お風呂に入っていいですか?

入ってかまいません。ただし、接種部位をこすらないようにしてください。

Q6.しょっちゅう熱を出すんですが、どうしたらいいですか?

まず、免疫に関わる基本的な検査として、白血球数・分類、免疫グロブリンの値などを調べます。
それで異常なければ、緑黄色野菜や食物線維などの食事・睡眠が適切にとれているかなど、生活習慣を見直します。
それも問題なければ、いわゆる「よく風邪をひく子」ということになりますが、このような子どもに対して、「免疫力を高める漢方薬」があります。風邪をひかない、強い子になるための漢方薬です。

月に2回も3回も熱を出していたのが、このような漢方薬を1ヶ月も続けると、徐々に熱を出さなくなってきます。たとえ風邪をひいても、感冒用の漢方薬を1-2回服用するだけで熱が下がるなど、治りが早くなります。

中耳炎を繰り返す子に対しても、再発を防ぐ漢方薬があります。3回以上繰り返す子は漢方治療の適応と考えます。漢方を使い慣れた医師に、その子の状態に最も適した漢方薬を選んで処方してもらいましょう。

このような治療を行うことにより、慢性的に抗生物質を飲んでいたのが、それとはほとんど無縁の状態になります。

Q7.感染性胃腸炎に罹りましたが、いつから登園できますか?

全身状態と、感染力のふたつの面から判断します。

①全身状態としては、食欲が戻り、元気になるということです。
②感染力は、便の性状から判断します。水様下痢便の間は、便中のウイルス量が多く、感染力も強いので、完全に普通便には戻らないまでも、軟便程度のものがせいぜい1日3回以内に回復するまで待ちましょう。

以上、①・②の条件をクリアしたら、登園していいでしょう。

Q8.熱がある時のお風呂は、どうしたらいいですか?

37℃台の熱で、元気も良ければ入って構いません。
熱が38℃以上あったり、微熱でもあまり元気がない時は、無理して入れない方が無難でしょう。

Q9.風邪(感冒)用の漢方薬は、熱が出たときに服用するので、解熱剤のようなものですか?

いいえ。
漢方薬は自己治癒力を高めることにより、風邪の原因となっているウイルスと戦って風邪を治す薬で、熱が下がるまで服用し続けます。漢方薬を服用すると、風邪は早く治ります。
これに対し解熱剤は、倦怠感・頭痛といった熱に伴う苦痛を一時的にやわらげる薬であり、風邪を治す薬ではないので、効果がなくなると熱はまた上がります。また、使いすぎると反って熱が長引いたりすることにもなりかねないので、眠れない時など、必要最低限(一日3回以内)の使用に留めましょう。解熱剤の効果は4-6時間です。

Q10.風邪を漢方薬で治療する際、解熱剤を飲んでもいいですか?

熱が主な症状の風邪を治す漢方薬は、自己治癒力を引き出すことで効果を発揮します。その際、熱をある程度出させることが必要です。
解熱剤は漢方薬のこの作用に逆行するので、安易に使うと折角の漢方薬の働きが鈍ってしまいます。風邪を早く治すには、解熱剤の使用はなるべく控えましょう。
ただし、熱のせいで食欲が極端に落ちている場合や、ぐずって眠れないときには使ってもいいでしょう。

Q11.作用の違う2種類の坐薬を両方使いたい時、1つ目を入れた後すぐに、ふたつ目を続けて入れていいですか?

・いいえ。
・坐薬には、けいれんを予防するダイアップ・解熱剤・吐き気止めなどがあります。
・熱性けいれんを起こしたことのある子が高熱を出した時、けいれんを予防するのが第一ですので、先ずダイアップ坐薬を入れます。続けて解熱剤を入れたい場合は、30分の間隔をあけます。間隔が近いと、薬の吸収を互いに妨げるからです。
・また、解熱剤と吐き気止めの両方を使いたい場合、早く楽にしてあげたい症状に対する坐薬の方から先に入れて、同様に30分の間隔をあけて他方の坐薬を入れるといいでしょう。
・ただし、けいれん予防のダイアップ坐薬と解熱剤の内服薬のように、坐薬同士でなければ、薬の吸収や効き目に対して互いに影響しないので、間をあける必要はありません。

Q12.鎮痛解熱剤には内服薬と坐薬がありますが、どちらの方がいいですか?

・意外かもしれませんが、内服薬は15-20分で効き始めるのに対し、坐薬は倍くらい時間が掛かります。
・作用持続時間は4-6時間で、差はありません。
・薬が飲めるなら内服薬を優先し、吐き気があったり内服を嫌がる場合に坐薬を使うといいでしょう。
・尚、小児に使われる鎮痛解熱剤はアセトアミノフェンといって、胃を痛めたりする心配のないものですので安心です。

Q13.処方された薬は、すべて最後まで飲み切った方がいいですか?

薬の処方目的は以下の3つに分類されますが、その目的によって答えは異なります。
①病気を治す薬:細菌性肺炎用の抗生物質、感冒(ウイルス性の風邪)用の漢方薬など
②症状・合併症が出ないようにコントロール・予防する薬:喘息の長期管理薬(コントローラ)、抗てんかん薬など
③今ある症状を軽減させる薬:解熱鎮痛剤、喘息の発作時薬(レリーバ)、咳・鼻水の薬、吐き気止め、腹痛用の漢方薬など

①は病気が治り、再燃しないために必要かつ十分な日数を考えて処方しますので、最後まで飲み切ってください。
②は将来的に中止できる可能性がありますが、中止のタイミングを図るには医学的な判断が必要です。症状・発作が起きる心配がなくなるまで、医師の指示に従い、薬を切らさないよう続けてください。
③は病気を治す薬ではなく、病気に伴って現れている症状を軽減させるのが目的(対症療法)ですので、症状が治まり次第、自己判断で中止して構いません。

Q14.中耳炎は、プールやお風呂に入って、耳に水が入ることで発症しますか?

・いいえ。
・中耳炎は、鼓膜の奥にある中耳腔という空間に炎症が起こったものです。
・ヒトの鼻の奥の方(咽の一番上の所)に耳管咽頭孔という穴がありますが、この穴は耳管という管を通じて中耳腔につながっています。鼻腔内にいる細菌やウイルスが、耳管咽頭孔から耳管を通じて中耳腔内に入り込み、炎症を起こすことによって中耳炎を発症します。ですから、鼻やのどの風邪が切っ掛けになって中耳炎を併発するということになります。
・我々が外から見ることのできる耳の穴から鼓膜までの空間を外耳といいますが、外耳と中耳は鼓膜によって隔てられているため、通常外耳にいる菌が中耳腔内に入り込むことはありません。従って、プールやお風呂に入って、外耳に水が入ることによって中耳炎になる訳ではありません。

Q15.風邪と熱中症はどう違いますか?

ウイルスなどの感染により風邪に罹ると、治そうという自己治癒へ向けた生体反応が起こります。その際、今の体温では不十分なため、発熱物質を出して自ら熱を作り出そうとします。その結果、寒気や、場合によっては関節痛・腰痛などの症状とともに発熱します。
これに対し、熱中症の場合は、高温環境に暴露されるのが必須の条件です。高温環境下でも、通常は発汗などにより体温調節を行って生理的な体温を維持できますが、発汗しても間に合わない位に気温が高かったり、風が吹かないなど熱がこもりやすい状況・環境だったり、あるいは水分・塩分の補給が間に合わずに脱水症に陥ったりした場合は、身体に熱がこもって熱中症になる可能性があります。
以上のごとく、風邪に伴う諸症状があるかどうかや、高体温になるに至った経緯を考慮すると、風邪か熱中症かは凡そ区別が付きます。また、熱中症では、身体は暑く感じ、寒気はしません。寒気がしたら、それだけで熱中症ではなく、風邪と判断して結構です。

Q16.夜泣きで何回も起きるんですが、どうすればいいですか?

生後8ヶ月位になるとハイハイをするようになり、運動らしい運動になりますので、昼夜のリズムが出来てきます。それ以降になっても、夜泣きで何回も起きる場合は、鉄欠乏が背景にある可能性を考えて、まず血液検査をします。ママが鉄欠乏性貧血だと、赤ちゃんも鉄が欠乏して貧血になりやすいリスクを持って生まれます。鉄が足りないと夜間の睡眠を司る脳内神経伝達物質のメラトニンが十分にできません。その結果、夜間熟睡できなくなります。夜泣きの原因が鉄欠乏であれば鉄を補うことで治っていきます。
鉄の検査をして異常がなければ、漢方薬を処方します。漢方薬には抑肝散などいくつか方剤がありますので、お話をお聞きして、一番合ったものを選んで処方します。

Q17.中耳炎に何回もかかるんですが、何か予防する方法はありますか?

急性中耳炎で、発熱や強い鼓膜発赤を伴う場合は、必要に応じて血液検査を行い、細菌が感染して炎症を起こしていると判断される場合は、抗生物質を処方することがありますが、急性期の炎症が治まっているのに、軽度の鼓膜発赤のみで抗生物質を長く服用するのはお勧めできません。
鼓膜が真っ赤に炎症を起こすような中耳炎を繰り返す場合は、免疫力を上げて予防することを考える方が近道です。それには、十全大補湯という漢方薬が最適です。この漢方薬は、「小児急性中耳炎診療ガイドライン」でも推奨されているものです。服用すると、凡そ1ヶ月もすると中耳炎を起こさなくなります。概ね6ヶ月から1年間を目途に服用しますが、中止のタイミングは経過をみて判断します。

Q18.多量に発汗した際などに、脱水症に陥らないようにするにはどんな飲み物が適していますか?

麦茶を含め、水分だけを摂っていると、血中の塩分濃度が薄まり、それを是正しようとして、水分が寧ろ抜けていきます。不足している水分を効果的に摂るには、塩分を一緒に摂ることが必要です。水・麦茶などと一緒に梅干しや漬物を食べるといいでしょう。
経口補水液なら、OS-1・アクアサポート・アクアライトORSがあります(経口補水液といえるのはこの3種類です)。通常のスポーツドリンクより、塩分濃度(Naナトリウム)が高くなっています。アクアライト・ポカリスエットまではいいですが、アクエリアスになると、Naが少なすぎて、多量の発汗をした場合の水分補給用としてはお勧めできません。
以下に、Na濃度(単位mEq/l)の高い順にイオン飲料を列挙しますので、参考にしてください。
OS-1= アクアサポート(50)> アクアライトORS(35)> アクアライト(30)> ポカリスエット(21)> アクエリアス(11)

Q19.インフルエンザは、1シーズン中に2回罹ることがありますか?

はい、あります。
インフルエンザには、A型・B型とがあり、さらにA型には、H1N1(パンデミック2009)型と香港型の2種類の亜型があります。
従って、上記2種類のA型のどちらかに罹った後でB型に罹ることは、たまにあります。また、A-H1N1型の後にA香港型に罹ったりすることもありますが、この場合A-H1N1型とA香港型の区別は通常の検査ではできませんので、A型に2回罹るという言い方になります。
さらに言えば、A型に2回、B型に1回、合計3回罹ることも理論的にはあり得ます。過去にインフルエンザが大流行した年には、実際にこういう方もおられましたが、極めてまれなことです。